福祉施設介護員を救えるか?働き方改革

働き方改革で働く時間を減らす

介護業界の働き方改革によって福祉施設介護員の働き方はどう変わるのか

働き方改革とは

少子高齢化の問題が本格的になってくるにつれ、「働き方改革」という言葉をあちらこちらで耳にするようになりました。人手不足や長時間労働、雇用格差など、労働者を取り巻く環境を根本から見直し、より働きやすい社会にするべく国をあげて働き方改革に取り組んでいます。育児や介護によって働きたくても働けない人をサポートするためには、保育や介護施設の充実が欠かせません。しかし、介護業界もまた深刻な人手不足に悩まされているのが現状で、多くの福祉施設介護員にとって労働時間の長さは一刻も早く改善したい問題となっています。

働き方改革によって労働時間は短くなるのか

世界的に見ても日本人は働きすぎと言われています。長時間労働が常態化している環境で働く人の過労死も大きな問題となっていますが、根本的な解決にはまだ遠い状況です。介護業界においても長時間労働は深刻な問題となっています。国の働き方改革では、月の残業時間に上限を設け、勤務終了時間から翌日の勤務開始時間までに間隔を持たせるなど、具体的なルールが検討されているところです。人手不足の現状をすぐに変えることができないなら、業務を簡素化するなどシステムのほうを見直すなど、介護業界の働き方改革が進めば残業をもっと減らすことはできるかもしれません。

介護業界の働き方改革はどうなっているのか

介護業界の働き方改革は着実に進んでいます。福祉施設の約6割は改革に前向きで、労働時間や勤務体制が職員のライフスタイルにマッチするものとなるよう改善に取り組んでいます。日勤と夜勤を繰り返しながら、長時間残業で心身を酷使してしまうことで体調不良になり、結局は離職してしまうケースも多く、労働環境の改善は事業所の健全な運営にかかわる重要な問題と位置付けられているからです。

「業務内容の見直し」や「分業」による負担軽減の取り組み

業務内容の見直しを徹底することにより、業務の簡素化が進められています。無駄の多い作業はできるだけ簡素にし、ITが積極的に活用されています。デジタルツールでの介護記録が可能になると、記録作業がスムーズになり介護員のデスクワーク負担が大幅に軽減されます。職員同士の情報共有も簡単になるため、申し送りにかける時間の削減にもつながります。1人の介護員が送迎から介護、清掃などなんでもマルチにこなすのは大きな負担なので、各業務を細分化して分業することによってひとりひとりの負担を減らしている事業所もあります。また、定時を過ぎたら積極的に帰宅を促進するなど、働き方改革に積極的な事業所は着実に増えています。

長時間労働に悩んでいる福祉施設介護員へ

現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる
現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる

福祉施設介護員として働いていて、長時間労働への不満が解消されないようであれば、転職を視野に入れてみるのがおすすめです。転職することによって労働時間はもとより、そのほかの待遇がいいものになるケースもあります。いざ転職しようと決めた場合に悩みやすいのが、どのように求人探しをするかでしょう。ハローワークという手もありますが、お手軽なのは転職サイトを利用することです。転職サイトを利用すればどこにいても求人探しができるうえ、自分にマッチする求人を見つけられる確率が高まります。

働きやすいシフトを組む
働きやすいシフトを組む

長時間労働に悩む福祉施設介護員が今すぐできる改善策としておすすめなのが、シフトの組み方の見直しです。複雑なシフトを組むだけでも大変な作業ですが、一定のルールを設けた上でできる限り職員の希望を取り入れ、無理のないシフトを組むことによって、職員のモチベーションを高い位置で維持できるようになります。夜勤を含むシフトの組み方の型を把握し、まずはパズルのように当てはめてから調整することによって、より良いシフトに仕上げることができるでしょう。