働きやすいシフトを組む
シフトの作り方によって働く人のモチベーションは変化する
労働時間の問題は解決できる
ブラック企業の存在が知れ渡るようになり、長時間労働に対する世間の目も厳しいものになってきました。人手不足が深刻な介護業界でも、労働時間の長さは問題になっていましたが、今では労働時間を短くするように努力する事業所も増えています。では、福祉施設介護員の労働時間はどのように改善されているのでしょうか。
シフトを公開することで問題を解決した一例
労働時間の問題を克服した施設で実施されていたことのひとつが、徹底した情報の公開です。福祉施設の職員のシフトを施設入口に掲示し、職員だけでなく外部の誰もが見られる状態にするという大胆な策を講じた結果、労働時間を短くすることに成功しました。シフトを一般に公開することに抵抗を覚える職員もいる中、それでも公開に踏み切ったのには理由がありました。シフトが公開されていることによって、すでに定時を迎えて帰っているはずの職員が働き続けていれば、すぐにわかる状況になりました。休日がなく長期間連勤状態が続いていれば、それもすぐにわかってしまいます。そうしてシフトを人の目に晒すことによって現場の意識も変化し、良い結果が生まれました。
シフト作りにはコツがある
夜勤を含む福祉施設の1日のシフトには、早番、日勤、遅番、夜勤、公休が入ります。1人の職員が月に7日から8日の公休となるようシフトを組むことが基本です。総勢10名の職員で運営している事業所ならば、1日に1人か2人は公休日となっている必要があります。順番としては、夜勤のシフトを組んでから公休を入れて、早番、日勤、遅番を入れていくようにしましょう。正社員かパートかによって組めるシフトと組めないシフトがあったり、休暇の希望が入っていたりと安定しませんが、埋められるシフトは埋めてから最後に調整しましょう。それでも人員が足りないという場合には、系列の事業所などと連携していくなどの工夫が必要になります。
やる気が出るシフトとは
シフト表とは、単なる予定表ではなく働くモチベーションを上げることもあれば下げてしまうこともあるものです。連勤状態のシフトを見ると、その先しばらく続くであろう激務を想像しただけで職員のやる気は落ちてしまいます。連勤にメリットはあまりないので、4から5日おきに公休が入るシフトを組むことが望ましいでしょう。
全ての職員にとって完全に公平なシフトを作ることは難しいとしても、できるだけ希望は取り入れるシフトを組むことはモチベーションの維持に役立ちます。休日出勤をなくし、希望休に制限を設けるなどのルールを設けておくと、ある程度の秩序を保つのに有効です。
長時間労働に悩んでいる福祉施設介護員へ
現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる
福祉施設介護員として働いていて、長時間労働への不満が解消されないようであれば、転職を視野に入れてみるのがおすすめです。転職することによって労働時間はもとより、そのほかの待遇がいいものになるケースもあります。いざ転職しようと決めた場合に悩みやすいのが、どのように求人探しをするかでしょう。ハローワークという手もありますが、お手軽なのは転職サイトを利用することです。転職サイトを利用すればどこにいても求人探しができるうえ、自分にマッチする求人を見つけられる確率が高まります。
働きやすいシフトを組む
長時間労働に悩む福祉施設介護員が今すぐできる改善策としておすすめなのが、シフトの組み方の見直しです。複雑なシフトを組むだけでも大変な作業ですが、一定のルールを設けた上でできる限り職員の希望を取り入れ、無理のないシフトを組むことによって、職員のモチベーションを高い位置で維持できるようになります。夜勤を含むシフトの組み方の型を把握し、まずはパズルのように当てはめてから調整することによって、より良いシフトに仕上げることができるでしょう。