法律ではNGな独自ルールが設けられている
事業所の独自ルールに要注意!そのルール、本当は違法かもしれません
違法な独自ルールの問題
福祉施設介護員にとって悩みの種となっている労働時間の問題以外に、違法な独自ルールの問題があります。違法であるにもかかわらず、その職場ではごく当然のこととしてまかり通っている独自ルールの例をいくつかご紹介します。
欠勤や遅刻に対する罰金制度
欠勤や遅刻をすれば給与に響いてしまうのは仕方のないことです。しかし、「遅刻や欠勤に対するペナルティとしての罰金」は違法です。遅刻をどう扱うかを就業規則にてしっかり決めてあれば別ですが、「欠勤したら罰金1日1万円」など、就業規則にない独自のルールによって勝手に減給することなどあってはならないことです。労働基準法では、減給1回の金額が平均賃金の1日分の半分を超えないこと、減給の総額が月給の10分の1を超えないことなど、しっかりとしたルールが定められています。
当日欠勤は、人手が足りない現場にとって大きな痛手ですが、「当日欠勤をするためには自分で代わりの介護員を探さなければならない」という独自ルールを設けている事業所も少なくありません。どんなに人手不足であろうとも、欠員の補充を行うべきは事業所側であって介護員ではありません。
有給休暇の取得が理由によって決められる
有給休暇は労働者の権利なので、申請を受けた事業所は拒否できません。本来であれば、理由によって有給休暇の取得の可否が決められるべきではないところなのですが、やむを得ない理由であると事業所が納得しないと有給が取得できない独自ルールを設けてしまっている事業所もあります。事業所側には「時季変更権」があるため、申請日の取得がどうしても難しいようであれば日時の変更を打診することは可能です。その際に理由を聞くこと自体は合法ですが、理由によって有給休暇の取得の可否が決まるのは違法です。
勤務時間外の対応や積立金について
勤務時間外に事業所が労働者に業務連絡を行うことは、労働基準法で禁じられている行為で、違反した場合には罰則もあります。しかし、「退勤後や休日にいつでも連絡をとっていい」という独自ルールを設けているケースは少なくありません。勤務時間外のメールや電話連絡が職場から頻繁にあると、プライベートであっても仕事中のような気分にさせられてしまい、リフレッシュができずストレスが蓄積されてしまう恐れがあります。
また、社員旅行や懇親会の積立金の返済に関する独自ルールです。積み立てたお金は本人のものなので、社員旅行や懇親会に参加しないのであれば全額返金されるべきものですが、これを返金しないまま吸収してしまうという悪質なケースもあります。
長時間労働に悩んでいる福祉施設介護員へ
現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる
福祉施設介護員として働いていて、長時間労働への不満が解消されないようであれば、転職を視野に入れてみるのがおすすめです。転職することによって労働時間はもとより、そのほかの待遇がいいものになるケースもあります。いざ転職しようと決めた場合に悩みやすいのが、どのように求人探しをするかでしょう。ハローワークという手もありますが、お手軽なのは転職サイトを利用することです。転職サイトを利用すればどこにいても求人探しができるうえ、自分にマッチする求人を見つけられる確率が高まります。
働きやすいシフトを組む
長時間労働に悩む福祉施設介護員が今すぐできる改善策としておすすめなのが、シフトの組み方の見直しです。複雑なシフトを組むだけでも大変な作業ですが、一定のルールを設けた上でできる限り職員の希望を取り入れ、無理のないシフトを組むことによって、職員のモチベーションを高い位置で維持できるようになります。夜勤を含むシフトの組み方の型を把握し、まずはパズルのように当てはめてから調整することによって、より良いシフトに仕上げることができるでしょう。