福祉施設介護員の労働時間は「夜勤」がポイント

夜勤がある施設とない施設がある

福祉施設介護員にとって気になる「夜勤」のある多くの施設の実態とは

夜勤があるかないかで労働時間の長さが変わる

夜勤の有無は、労働時間が悩みの種という福祉施設介護員にとって重要なポイントです。夜勤となると、さらに労働時間が長くなってしまう傾向があるからです。では、なぜ夜勤があると労働時間が長くなってしまうのでしょうか。

夜勤がある施設とない施設

同じ介護業界でも施設のタイプによって夜勤の有無が分かれます。介護業界には、訪問介護や訪問入浴、訪問リハビリなどのサービスを提供する「訪問型」の事業所と、特養やグループホーム、有料老人ホーム、老健などの「入所系」の事業所、デイサービスやデイケアなどの「通所型」がありますが、この中で夜勤があるのは、主に「入所型」の福祉施設です。
利用者が寝食を伴う生活をしている入所型の施設は、職員の勤務体系も24時間体制となります。夜勤を避けたい人は訪問型や通所型の事業所を選択することが多いものの、夜勤専門に働く介護員もいるため、働き手のニーズに合わせて柔軟に勤務体系を組んでいる事業所もあります。ただし、そのような措置を講じることができるのは、比較的大規模な事業所の話であって、人手不足が深刻な事業所や小規模な事業所は、そこまでのことができない場合も少なくありません。

小規模な事業所は長時間労働に陥りやすい

福祉施設介護員の夜勤は、3交代か2交代のどちらかです。勤務時間の管理を徹底している施設は3交代制を取り入れているところがほとんどで、1勤務あたりの労働時間は8時間で休憩は1時間という、ごく一般的な労働時間で管理されています。しかし、これが2交代勤務となると、1回の勤務が12時間と長時間になってしまい、介護員へかかる負担はかなり大きくなってしまいます。事業所が小規模になればなるほど2交代制が常態化するケースが多く、労働時間が16時間を超えてしまうことも珍しくないなど、介護員の労働環境が厳しいものになりがちです。

ワンオペの常態化がさらに福祉施設介護員を追い込む

厳しいのは労働時間だけではありません。人手不足の施設では、1人の介護員が夜勤を担当するワンオペが常態化。利用者の中には認知症の高齢者や医療行為を含む介助を必要としている人もいるなど、利用者の安全を確保するには心もとない状況での業務が問題視されています。まともに休憩できないまま1人で夜勤をこなさなければならない介護員も多く、その負担は計り知れないものがあります。本来であれば、正規雇用の介護員が担うべき責任の重い業務を非正規の介護員に任せるしかない状況の施設もあるなど、業界の内情はかなり切迫したものであることは容易に想像できます。こうして労働条件が悪化すればするほど人手不足は加速し、さらに労働条件が悪化するという負のスパイラルに陥ってしまうと、介護員の負担はどんどん重くなっていくばかりです。

長時間労働に悩んでいる福祉施設介護員へ

現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる
現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる

福祉施設介護員として働いていて、長時間労働への不満が解消されないようであれば、転職を視野に入れてみるのがおすすめです。転職することによって労働時間はもとより、そのほかの待遇がいいものになるケースもあります。いざ転職しようと決めた場合に悩みやすいのが、どのように求人探しをするかでしょう。ハローワークという手もありますが、お手軽なのは転職サイトを利用することです。転職サイトを利用すればどこにいても求人探しができるうえ、自分にマッチする求人を見つけられる確率が高まります。

働きやすいシフトを組む
働きやすいシフトを組む

長時間労働に悩む福祉施設介護員が今すぐできる改善策としておすすめなのが、シフトの組み方の見直しです。複雑なシフトを組むだけでも大変な作業ですが、一定のルールを設けた上でできる限り職員の希望を取り入れ、無理のないシフトを組むことによって、職員のモチベーションを高い位置で維持できるようになります。夜勤を含むシフトの組み方の型を把握し、まずはパズルのように当てはめてから調整することによって、より良いシフトに仕上げることができるでしょう。