福祉施設介護員が長時間労働になりがちな理由

なぜ介護業界は長時間労働になるのか

介護業界に重くのしかかる「長時間労働の問題」はどうして起こるのか

長時間労働に悩む介護業界

福祉施設介護員にとって労働時間の長さは悩みの種です。利用者のお世話をするという業務の性質上、時間だけで業務を区切りにくいことが、結果的に長時間労働につながってしまいます。では、現場ではどのような問題が労働時間を延長させているのでしょうか。

定時直前に起こったトラブルへの対処

介護サービスの利用者は、1人で日常生活を送れないほどの障がいがあるなど、体が不自由な人が多いものです。容体が急変したり、どうしても介助が必要になったりすれば、定時直前であろうとそこにいる職員は対応しなければなりません。利用者の状況がいつ変化するかは予測できないものなので、職場にいる限り緊急事態が発生する可能性があると考えておく必要があります。職員が多ければいいのですが、多くの施設は深刻な人手不足の問題を抱えています。ギリギリもしくはそれ以下の職員で介護サービスを支えているような状態だと、緊急時には規定の時間を超えてでも働くしか選択肢がありません。
介護現場には家庭を持っている女性も多く、子供の体調不良等で仕事を早退したり休んだりするのはよくあることです。仕方のないこととはいえ、そうなれば現場の負担はさらに大きいものになります。職場にいる人数と業務の量がもともとマッチしていなければ、長時間労働は誰にとっても避けられないものとなってしまいます。

意外と多いデスクワーク

介護現場は肉体労働のイメージですが、実はデスクワークがかなりあります。サービス利用者の体位交換や食事、排泄の記録、ケアプランの作成、その他気づいたことなど、肉体労働でこなした業務の部分を全て文書として記録する作業があります。職員同士で情報を共有するためのカンファレンスや各種委員会、ミーティングはとても重要なものですが、日々の業務で忙しい職員にとっては大きな負担ともなっています。

責任感のある人ほど長時間労働になりがち

仕事に対して責任感を持って取り組んでいる人ほど、時間で現場を離れることなく業務をやりきろうとしがちです。結果的に長時間労働が慢性化してしまい、疲弊しきってしまいます。
家庭の事情で帰らざるを得ない人が多い中、「残ろうと思えば残れてしまう人は残業して当たり前」の環境になってしまっている現場もあります。定時になったら帰るというのは当然の権利であって悪いことではありませんが、時間で割りきれずについ残業してしまう人は、どうしても勤務時間が増えてしまいます。そのように、「職員の善意」で成り立っている職場が多いことが、業界全体の長時間労働問題を難しくしているとも考えられます。

長時間労働に悩んでいる福祉施設介護員へ

現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる
現状が変わらないようなら転職も視野に入れてみる

福祉施設介護員として働いていて、長時間労働への不満が解消されないようであれば、転職を視野に入れてみるのがおすすめです。転職することによって労働時間はもとより、そのほかの待遇がいいものになるケースもあります。いざ転職しようと決めた場合に悩みやすいのが、どのように求人探しをするかでしょう。ハローワークという手もありますが、お手軽なのは転職サイトを利用することです。転職サイトを利用すればどこにいても求人探しができるうえ、自分にマッチする求人を見つけられる確率が高まります。

働きやすいシフトを組む
働きやすいシフトを組む

長時間労働に悩む福祉施設介護員が今すぐできる改善策としておすすめなのが、シフトの組み方の見直しです。複雑なシフトを組むだけでも大変な作業ですが、一定のルールを設けた上でできる限り職員の希望を取り入れ、無理のないシフトを組むことによって、職員のモチベーションを高い位置で維持できるようになります。夜勤を含むシフトの組み方の型を把握し、まずはパズルのように当てはめてから調整することによって、より良いシフトに仕上げることができるでしょう。